SharePoint Serverの脆弱性CVE-2026-45659の悪用

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脆弱性の悪用
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国外
目次
  1. 脆弱性の内容
  2. 時系列
  3. 対象の製品と版
  4. 悪用の状況
  5. 修正と回避策
  6. 未公表の事項
  7. 注
  8. 出典
  9. 更新記録
  10. 関連記事

米国のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)は、Microsoft SharePoint Serverの逆シリアル化の脆弱性CVE-2026-45659を、2026年7月1日に既知の悪用された脆弱性(KEV)のカタログへ加えた⁠[12]。KEVの項目は、既知のランサムウェアの攻撃活動での使用を「Known」〔注1〕としている⁠[12]。

脆弱性の内容

MicrosoftのSecurity Update Guideによると、Microsoft Office SharePointで信頼できないデータを逆シリアル化することにより、認可された攻撃者がネットワーク経由でコードを実行できる⁠[1]。少なくともSite Memberの権限を持つ認証された攻撃者が、SharePoint Server上でリモートからコードを実行しうる⁠[1]。管理者などの高い権限は要らない⁠[1]。

表1:CVE-2026-45659の評価
項目値資料
深刻度(Microsoft)Important⁠[1]
悪用されたときの影響リモートコード実行⁠[1]
CVSS 3.1(Microsoft)基本値8.8、現状値7.7(AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H/E:U/RL:O/RC:C)⁠[1]
CWECWE-502(信頼できないデータの逆シリアル化)⁠[1]
KEVでの名称Microsoft SharePoint Server Deserialization of Untrusted Data Vulnerability⁠[7]

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時系列

時系列
日付主体内容資料
2026年5月12日MicrosoftSharePoint Server 3製品のセキュリティ更新KB5002863・KB5002870・KB5002868を公開し、CVE番号を予約した⁠[3、4、5、6]
2026年5月21日MicrosoftSecurity Update GuideでCVE-2026-45659を公開した(改訂1.0)⁠[1]
2026年5月22日CVE Program、NVDCVEレコードを公開し、NVDに登録した⁠[6、7]
2026年5月26日MicrosoftSecurity Update Guideの改訂1.1を出した⁠[1、11]
2026年5月26日CISACVEレコードのSSVCの評価で、悪用(Exploitation)を「active」とした⁠[6]
2026年7月1日CISAKEVへの追加を伝えるアラートを公表した⁠[13]
2026年7月14日CISASharePointの堅牢化を促すアラートを公表した⁠[14]
2026年8月11日CISAKEVカタログを更新し、CVE-2026-45659がランサムウェアのグループに悪用されていると確認した⁠[17]

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対象の製品と版

表2:影響を受ける版と修正版
製品影響を受ける版修正版資料
SharePoint Server Subscription Edition16.0.0以上16.0.19725.20280未満KB5002863(16.0.19725.20280)⁠[2、6]
SharePoint Server 201916.0.0以上16.0.10417.20128未満KB5002870(16.0.10417.20128)⁠[2、6]
SharePoint Enterprise Server 201616.0.0以上16.0.5552.1002未満KB5002868(16.0.5552.1002)⁠[2、6]

Microsoftは製品ライフサイクルのページで、SharePoint Server 2019と2016の延長サポートの終了日を、どちらも7月15日としている⁠[9、10]。

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悪用の状況

Microsoftの評価は、公開済み(Publicly Disclosed)と悪用(Exploited)がともに「No」で、悪用の可能性は「Exploitation Less Likely」である⁠[1、11]。

CISAは、CVEレコードに付けたSSVCの評価で、自動化の可否(Automatable)を「no」、技術的な影響(Technical Impact)を「total」とした⁠[6]。KEVの項目では対応の期限を7月4日とし、フォレンジックのトリアージ(forensicTriage)の欄を「Yes」にしている⁠[12]。

TenableのFAQでは、CISAは7月14日の注意喚起で、オンプレミスのSharePoint Serverの脆弱性3件の悪用を確認した⁠[15]。対象はCVE-2026-32201、CVE-2026-45659、CVE-2026-56164である⁠[15]。Tenableが伝えたCISAの説明では、攻撃者はこれらを組み合わせてSharePoint Serverに侵入した⁠[15]。侵入の後、IISのマシンキーの抽出、逆シリアル化の手法による永続化、マルウェアの展開を行った⁠[15]。

Tenableは、7月16日の段階で公開の概念実証コードは無いとも書いた⁠[15]。

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修正と回避策

Microsoftは改訂1.1で、この脆弱性は5月に出た更新で対処済みだったが、5月のセキュリティ更新の一覧から誤って漏れていたと説明した⁠[1、11]。情報のみの変更で、5月の更新を入れた利用者は追加の対応が要らないとした⁠[1、11]。5月12日に出た3製品の更新の説明は、それぞれ7件のCVEを挙げ、CVE-2026-45659を含んでいない⁠[3、4、5]。SharePoint Workflow Managerを使う場合は、KB5002870の前にKB5002799を入れる必要がある⁠[4]。

CISAはKEVの項目で、開発元の指示に従って緩和策を適用するよう求めた⁠[7]。適用はBOD 26-04「Prioritizing Security Updates Based on Risk」と「Forensics Triage Requirements」に従うとした⁠[7]。クラウドサービスにはBOD 26-04の該当する指針を当て、緩和策が無ければ製品の使用を中止するよう求めた⁠[7]。各資産のインターネットへの露出の評価と、BOD 26-04の修正の指針の順守は、関係者の責任とした⁠[7]。

Security NEXTは7月17日の記事で、CISAが注意喚起でSharePoint Serverの利用者に求めた対策を報じた⁠[19]。

  • 最新のパッチの適用と、正常に導入されたことの確認⁠[19]
  • AMSIの有効化の確認と監視⁠[19]
  • AMSIとMicrosoft Defender Antivirusの検出に対する、インシデント対応計画の実行⁠[19]
  • 侵害の状態から復旧したうえでの、キーのローテーション⁠[19]
  • インターネットへの直接の公開の回避(認証や検証の機能を備えたレイヤー7のリバースプロキシの利用、管理画面への外部アクセスの遮断、ログ監視の強化)⁠[19]

Tenableの説明では、CISAは注意喚起で、鍵の収集の痕跡を先に除かない限り、鍵のローテーションだけでは完全な修復にならないとした⁠[15]。

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未公表の事項

  • 逆シリアル化が起きるSharePointの機能
  • CISAが悪用と判断した根拠と、悪用を観測した組織
  • 悪用を受けた組織の数
  • 悪用の主体(Tenableは、7月16日の段階でCISAもMicrosoftも特定の脅威アクターに帰属させていないと書いた⁠[15])
  • CISAがランサムウェアでの使用を「Known」とした根拠

注

  • 〔注1〕Tenableの7月16日のFAQの表では、この脆弱性の既知のランサムウェアでの使用は「Unknown」だった⁠[15]。

出典

当事者

公的機関

報道機関

背景資料

更新記録

  • 2026年7月2日:公開した。
  • 2026年7月14日:CISAの7月14日のアラート(出典14)を「時系列」に加えた。
  • 2026年7月16日:Tenable, Inc.の7月16日のFAQ(出典15)を加え、「悪用の状況」「修正と回避策」「未公表の事項」「注」を改めた。
  • 2026年7月17日:Security NEXTの7月17日の記事(出典19)を加え、「修正と回避策」を改めた。
  • 2026年7月23日:National Vulnerability Databaseの7月23日の更新版(出典7)に合わせて、「脆弱性の内容」と「修正と回避策」のKEVの項目の記述を改めた。
  • 2026年8月11日:CVEレコードの8月11日の更新(出典6)とThe Hacker Newsの記事の8月11日の追記(出典17)を加え、リードと「時系列」を改めた。

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