Studioが利用するクラウド環境への不正アクセス

カテゴリ
不正アクセス
目次
  1. 経緯
    1. 同じ時期の別の障害
  2. 時系列
  3. 影響範囲
    1. Studio社が預かっていた情報
    2. フォームを置いたサイトの運営者
  4. 対応と現状
    1. 機能別のキーと暗号化の鍵
    2. 利用者の報告と連名の方式
  5. 未公表の事項
  6. 出典
  7. 更新記録
  8. 関連記事

Studio社の2026年10月16日の第一報によると、同社が利用するクラウド環境への第三者の不正アクセスで、Studioに登録するすべての顧客の情報が外部に流出した可能性がある⁠[1]。暗号化して保存していた情報も、復号に必要な鍵が同じ不正アクセスで読み出されたため、内容を知られた可能性があるとした⁠[1]。Studio社は10月28日、個人情報保護委員会への連名の報告の受付を11月上旬に始める予定と案内した⁠[2]。

経緯

Studio社は、第三者がStudioの一部機能の脆弱性を悪用してクラウド環境に不正にアクセスし、環境内のデータを外部から取得できる状態にしていたことを確認した⁠[1]。実際に第三者に取得された事実は確認できていないが、取得されたものとみなして対応を進めている⁠[1]。

10月18日に第一報へ加えた説明では、第三者が取得した認証情報に、データを書き換えることができる権限も含まれていた⁠[1]。Studio社はこの認証情報を無効化し、操作の記録を調べて、顧客のデータ(デザインエディタ・CMSの内容など)を書き換えたり削除したりした記録がないことを確認した⁠[1]。案内のページでは、不正アクセスが続いている事実は確認されていないとした⁠[3]。

同じ時期の別の障害

Studio社のステータスページでは、10月14日5時55分〜11時15分にフォームのGoogleスプレッドシート連携とGoogleアナリティクス連携で不具合が起きた⁠[5]。原因は内部システムの不具合によるGoogleアカウントとの認証の失敗だった⁠[5]。

Studio社は10月21日22時26分〜10月22日4時5分に、緊急メンテナンスを行った⁠[4]。PHPの開発チームが重大な脆弱性2件(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)の修正版の公開を予告したことを受けた予防措置で、メンテナンスに起因する被害(不正アクセスや情報の流出など)は確認されていないとした⁠[4]。

目次へ

時系列

時系列
日付主体内容資料
2026年9月30日〜10月1日-第三者による不正アクセスがあった(確認できている期間)⁠[1]
2026年10月13日Studio社社内の調査で不正アクセスを確認した⁠[1]
2026年10月13日〜14日Studio社脆弱性を修正し、不正アクセスに使われた経路を塞いで、外部から取得できる状態を解消した⁠[1]
2026年10月14日2時30分ごろStudio社安全のため、ログインしていたすべての顧客を一度ログアウトさせた⁠[3]
2026年10月16日Studio社第一報を公開し、機能ごとの個別メールをプロジェクトのオーナーに送った⁠[1、3]
2026年10月16日TVer、Medii、クラウドワークス、デジタル庁Studio社から連絡や報告を受けた⁠[20、22、25、42]
2026年10月16日10時30分ごろスマートキャンプStudio社から報告を受けた⁠[12]
2026年10月17日Studio社フォームの送信内容や外部サービスのAPIキーなどを暗号化する鍵を、新しい鍵に切り替えた⁠[1]
2026年10月18日Studio社「Studioにおける不正アクセスに関するご案内」を公開した⁠[1]
2026年10月18日長崎市報道で不正アクセスを把握し、Studioからの通知メールで対象のプロジェクトに当たることを確認した⁠[37]

目次へ

影響範囲

Studio社が預かっていた情報

ITmedia NEWSは、Studioはスタートアップや中小企業のコーポレートサイトを中心に使われ、ユーザー数は90万人以上(2026年7月の発表より)と報じた⁠[49]。

表1:流出した可能性のある情報
区分含まれる情報保存の方法資料
Studioアカウントの情報(登録するすべての顧客)ユーザー名、メールアドレス、ハッシュ化されたパスワードなどパスワードはハッシュ化して保存し、平文では保存していない⁠[1]
顧客がStudio上で管理するデータデザインエディタ・CMSの内容、フォームに送信された内容、Google reCAPTCHA v3の設定情報、Webhook通知のURLフォームに送信された内容、reCAPTCHA v3の設定情報、Webhook通知のURLは暗号化して保存⁠[1]
ライブプレビュー公開前のページを確認するためのライブプレビューのURL-⁠[1]
各種設定に含まれる認証情報API連携に登録された外部サービスのAPIキーやトークン、パスワード保護ページのパスワード、Googleスプレッドシート連携の認証情報、カスタムプロキシ機能のプロキシキーAPIキーやトークン、Googleスプレッドシート連携の認証情報、プロキシキーは暗号化して保存。パスワード保護ページのパスワードはハッシュ化して保存し、平文では保存していない⁠[1]
「Studio AI」(当初の名称は「Auto」)の先行利用の申込者(2022年12月〜2023年8月。Studioのアカウントを持たない人を含む)申込時に取得したメールアドレス、ユーザー名、お住まいの国(接続元のIPアドレスから判定)-⁠[1]

第一報によると、フォームの送信内容で対象になるのは、Studioに保存されていた回答である⁠[1]。ゴミ箱に移した回答(「完全に削除」していないもの)、ライブプレビューでテスト送信した回答、プランの上限を超えてダッシュボードで表示できなかった回答も含む⁠[1]。「フォームの結果をStudioに保存」を無効にしていた間の回答と、9月30日より前に「完全に削除」した回答は含まない⁠[1]。添付ファイルはファイル名だけが対象で、外部サービス(Googleフォームなど)を埋め込んだフォームの回答は対象外である⁠[1]。

Studio社は案内のページで、Studio AIの申し込みの際にパスワードや支払いに関する情報は預かっていないと説明した⁠[3]。

フォームを置いたサイトの運営者

Studio社の案内のページでは、フォームの情報はサイトオーナーが預かるもので、Studio社は委託を受けて保管している⁠[3]。Studio社はフォームの送信者に直接は通知せず、通知をサイトオーナーに求めた⁠[3]。通知のための事業者向けの「リリース用雛形」も用意している⁠[3]。

表2:フォームの情報の流出や漏えいの可能性を公表した企業・団体
組織対象件数・人数含まれる情報公表日資料
ラクスルウェブサイトのフォーム(2024年6月3日〜2026年10月15日)6,412件(フォーム送信の件数で、人数と一致しない場合がある)氏名、所属先組織、電話番号、メールアドレス、その他フォームの入力内容(相談内容、予算等)。印刷通販サイト「ラクスル」の会員情報・注文情報・支払い情報は対象外10月16日⁠[6]
LuupWebサイトの4つのフォーム合計21,368件(同じ方による複数回の送信を含む)氏名、連絡先(メールアドレス・電話番号)、住所、会社名・部署名など。LUUPアプリの登録情報は別のシステムで管理しており対象外10月16日⁠[7]
琉球新報社コーポレートサイトの申込・問い合わせフォーム(Studio内に残っていた一部のデータ)-お名前、住所、メールアドレス、会社名、電話番号、お問い合わせ内容10月16日⁠[8]
アルビレックス新潟レディース公式サイトの問い合わせフォーム-お名前、メールアドレス、お問い合わせ本文に記載された個人情報等10月16日⁠[9]
シンプルフォームWebサイトのお問い合わせフォーム3,404件(10月16日時点)氏名・メールアドレス・法人名・部署名・電話番号・お問い合わせ内容10月16日⁠[11]
スマートキャンプコーポレートサイトと一部サービスサイト、過去キャンペーンサイトのお問い合わせフォーム(2018年11月26日〜2026年10月14日)9,132件メールアドレス(全フォーム共通)、氏名、会社名、部署名、電話番号等の連絡先、お問い合わせ内容等10月17日⁠[12]
キング砥石お問い合わせフォーム-会社名・屋号、お名前、メールアドレス、お問い合わせ内容10月17日⁠[13]
スイスラーニングジャパンお問い合わせフォーム-保護者の氏名、お子様の氏名・生年月日・性別、電話番号、メールアドレス、住所、留学の希望内容と時期など10月17日⁠[14]
FES Global Educationお問い合わせフォーム(2026年1月14日〜6月2日)-氏名、ふりがな、メールアドレス、電話番号、留学をご希望のお子様の生年月日、お問い合わせ内容10月17日⁠[15]
ユーザベースStudioで作成・運営していたWebサイトの問い合わせフォーム-氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、その他フォームに入力された情報(所属先、経歴、収入等)。Speeda・NewsPicks等のアカウントやパスワードは対象外10月19日⁠[16]
TRUSTARTサービス紹介ページの問い合わせ・資料請求フォーム約1,440件(同じ方による複数回の送信やテスト送信を含む)氏名、会社名、会社URL、役職、メールアドレス、電話番号、従業員規模、お問い合わせ種別10月19日⁠[17]
トドケールコーポレートサイトの問い合わせフォーム(2023年10月4日〜2026年10月14日)2,345件会社名、氏名、メールアドレス、電話番号(任意入力)、お問い合わせ内容10月19日⁠[18]
テイクアンドギヴ・ニーズウェブサイトのフォーム5,877件氏名、電話番号、メールアドレス、住所、生年月日、その他フォームの入力内容10月19日⁠[19]
クラウドワークス4つのフォームクラウドタウンのお申し込みフォーム11,462件、ほか354件、299件、16件(フォームの送信件数。10月19日時点)クラウドタウンは氏名、メールアドレス、職種、経験年数、参加目的、年齢、現在の働き方、Discordコード10月19日⁠[20]
harmo運輸向け健康支援事業のページのお問い合わせフォーム-フォームから送られた情報10月20日⁠[21]
Mediiコーポレートサイトのお問い合わせ(2023年2月20日〜2024年12月27日)2365件(同一の方による複数回の送信を含む)氏名、会社名・ご所属、メールアドレス、電話番号、お問い合わせ内容10月20日⁠[22]
SchooStudio上で運用していた複数のサイトのフォーム延べ2,936件(対象は約2,600名)氏名、メールアドレス(全フォーム共通)、勤務先、部署、役職、年齢、住所、電話番号、お問い合わせ内容、アンケートへの回答(フォームにより異なる)10月20日⁠[23]
東邦ガス新規事業(シャインマスカットの生産、注文住宅のマッチングサービス「イエラボ」)100件(10月20日時点)氏名、メールアドレス/会社名、氏名、メールアドレス10月20日⁠[24]
TVer出稿者向けサイト「TVer広告」のフォームお問い合わせフォーム経由734件、資料請求フォーム経由1,067件(延べ件数)氏名、会社名、所属部署名、メールアドレス、お問い合わせ内容など。動画配信サービス「TVer」のユーザーの情報は含まない10月20日⁠[25]
LIFULL介護・不動産データなどのサービスのページ(一部は現在非公開)のフォーム-氏名、メールアドレス、電話番号、会社名、所属部署など10月20日⁠[26]
エクサウィザーズStudio上で運用したWebフォーム-メールアドレス、氏名、お問い合わせ内容、電話番号、住所、年齢、受傷部位など(フォームにより異なる)10月20日⁠[27]
LayerXコーポレートサイトのお問い合わせフォーム(2022年6月30日〜2023年11月1日)2,295件(同じ方からの複数回を含む)氏名、メールアドレス、会社名、電話番号、WebサイトのURL、お問い合わせの種別・内容、添付ファイルのファイル名。「バクラク」などのサービスのデータは対象外10月20日⁠[28]
Jitera過去にコーポレートサイトで使っていた「お問い合わせフォーム」と「カジュアル面談申し込みフォーム」205件(確認されている件数)お名前、会社名、メールアドレス、内容/お名前、メールアドレス、希望の職種・ポジション、メッセージ10月20日⁠[29]
SmartHRグループ5社のWebサイトの問い合わせフォーム合計2,012名(10月22日時点)氏名、会社名、電話番号、メールアドレス、お問い合わせ内容など10月22日⁠[30]
RECEPTIONIST旧コーポレートサイトのお問い合わせフォーム(2024年3月13日〜2026年10月5日)約1,600件(延べ送信件数。1人として数えると約1,200名。いずれも概算)会社名、氏名、メールアドレス、電話番号、お問い合わせの種別及び内容10月22日⁠[31]
モニクルリサーチ旧サイトのお問い合わせフォーム(2021年2月22日〜2024年9月3日)1,487件(807名)氏名、フリガナ、会社名、電話番号、メールアドレス、お問い合わせ種別、お問い合わせ内容10月23日⁠[32]
マネーフォワードグループ5社のサイトのお問い合わせフォームマネーフォワード4,150件(採用サイト)、マネーフォワードホーム713件、マネーフォワードエックス257件、マネーフォワードケッサイ2,984件、アウトルックコンサルティング5件氏名、企業名、メールアドレス、電話番号、お問い合わせ内容、その他10月26日⁠[33]
アカツキグループ4社のフォーム最大2,884件(425件、936件、531件、992件)氏名、ふりがな、メールアドレス、電話番号、会社名、応募職種、問い合わせ・メッセージ内容、添付ファイル名。履歴書・職務経歴書等のファイル本体は対象外10月26日⁠[34]
ZEN大学お問い合わせフォーム(2025年12月1日〜2026年10月16日)最大107件氏名、メールアドレス、電話番号、入学希望時期、手続状況、お問い合わせ項目、お問い合わせ内容10月26日⁠[35]

Link-Uグループも10月16日に、『Studio 株式会社で発生した不正アクセスに伴う個人情報漏えいの可能性に関するお知らせ』を適時開示で公表した⁠[10]。

表3:フォームの情報の流出や漏えいの可能性を発表した国・自治体
組織対象件数・人数含まれる情報公表日資料
福岡市「Fukuoka Social Startup Acceleration」事前エントリーフォーム42人分氏名、メールアドレス10月16日⁠[36]
Fukuoka Growth Next6つのフォームお問い合わせ185件・87件、スタートアップカフェ190件、入居申し込み3件、Bootcamp応募89件・75件-10月16日⁠[36]
長崎市キャンペーンサイトの問い合わせフォーム22件、19人分お名前、メールアドレス及び問い合わせ内容10月19日⁠[37]
長岡市移住体験ツアー事業の特設サイトのフォーム(特設サイトは公開を継続)5件氏名、メールアドレス、住所(4件は市区町村名まで)、家族構成10月19日⁠[38]
福岡市指定管理者の福岡コンベンションセンターのホームページ(施設利用の問い合わせ、落とし物の問い合わせ、身障者用駐車スペースの予約)計2,239件身障者用駐車スペースの予約は氏名、メールアドレス、電話番号、車両番号等10月19日⁠[39]
神奈川県令和3年度の委託事業の提案受付フォーム約85件(精査中)企業名、担当者名・役職、電話番号、メールアドレス、提案内容の概要等10月20日⁠[40]
長岡市指定管理施設(和島オートキャンプ場、うまみち森林公園)のお問い合わせフォーム212件(179件、33件)氏名、住所、電話番号、メールアドレス10月21日⁠[41]
デジタル庁ホームページの問い合わせフォーム5種(2021年5月〜2023年3月)とStudioアカウント一般的なご意見・ご要望は最大8,833件、採用は最大250件、接種証明書アプリは最大3,661件、マイナちゃんの着ぐるみの借用は最大117件、ワークショップ等は最大462件、アカウントは35件フォームの入力内容(氏名、メールアドレスは任意で記入した場合に限る)。アカウントはデジタル庁職員又は委託事業従事者の氏名、メールアドレス10月22日⁠[42]
長野県県の委託事業3事業の受託事業者が利用するStudio相談フォーム等152件、問合せフォーム177件、事前説明会申込フォーム12件-10月22日⁠[43]
田村市業務受託事業者のウェブサイトのフォーム8種465件(延べ件数)氏名、住所、メールアドレス、電話番号、問合せ内容10月22日⁠[44]
坂出市移住ポータルサイトの移住相談フォーム計28件(10月16日時点)氏名、メールアドレス、居住地、移住に関する相談内容10月22日⁠[45]
京都市IVS KYOTO実行委員会のIVS2025公式サイトの全てのフォーム回答計約4,200件氏名・メールアドレス・会社名・役職など10月23日⁠[46]
福岡県委託先「福岡県地域おこし協力隊サポーターズConeru」のホームページのメールフォーム-氏名、メールアドレス、電話番号、地域(市町村名)、所属、相談内容10月23日⁠[47]
台東区竜泉福祉センターの事業の申し込みフォーム737件氏名、ふりがな、住所、電話番号、メールアドレス、性別等10月28日⁠[48]

神奈川県は、受託事業者のeiiconから10月16日21時30分ごろ、産業振興課に電子メールで報告を受けたと発表した⁠[40]。県が状況を認識したのは10月19日9時ごろだった⁠[40]。

長岡市には、10月16日14時42分に移住体験ツアー事業の受託事業者から報告があった⁠[38]。指定管理施設については、指定管理者から10月20日9時58分に報告を受けた⁠[41]。長野県と田村市には、受託事業者から10月19日〜20日に報告があった⁠[43、44]。

表4:運営者が告知した措置
措置組織資料
フォームの停止・閉鎖Luup・マネーフォワード(全て停止。マネーフォワードは別システムへ切り替え)、キング砥石・スイスラーニングジャパン・harmo(一時停止)、長岡市(指定管理施設のフォームを一時閉鎖)、ZEN大学(10月16日に閉鎖)、台東区(当面停止)⁠[7、13、14、21、33、35、41、48]
Studioの利用の停止TRUSTART、Jitera(内製のサイトとフォームへ移行)⁠[17、29]
Studioを介さない形式への変更琉球新報社(2つのフォーム。「お友達紹介キャンペーン」はいったん中止)⁠[8]
Studio上のデータの削除・消去アルビレックス新潟レディース(10月16日。パスワードも変更)、Fukuoka Growth Next、長崎市(フォームも削除)、エクサウィザーズ⁠[9、27、36、37]
対象者への個別の連絡琉球新報社(10月16日にメール)、トドケール(完了)、エクサウィザーズ(10月19日にメール)、LIFULL(進める)⁠[8、18、26、27]
個人情報保護委員会や関係機関への報告Schoo(速報を実施済み)、キング砥石(関係機関に報告)、LIFULL(Studio社と連携して報告)、モニクルリサーチ(Studio社が取りまとめる連名で報告する予定)、京都市(Studio社から連名の形で報告)、シンプルフォーム(準備中)、Luup(関係機関への報告や警察への相談等を行う)、スイスラーニングジャパン(Studio社から保留の案内を受けた)⁠[7、11、13、14、23、26、32、46]

目次へ

対応と現状

Studio社は第一報で、メールアドレスとパスワードでログインする顧客にパスワードの変更を求め、同じパスワードを使う他のサービスでの変更も強く勧めた⁠[1]。発行済みのライブプレビューのURLが直接特定されたことは確認していないが、安全のため削除を求めた⁠[1]。Studio社を装ったフィッシングのメールやメッセージが送られる可能性があり、Studio社からパスワードや認証情報をメールや電話で尋ねることはないとした⁠[1]。API連携・パスワード保護ページ・フォーム・Googleスプレッドシート連携・カスタムプロキシ・Webhook通知を使うプロジェクトのオーナーには、必要な対応や確認を個別のメールで案内した⁠[1]。

案内のページによると、Studio社は不正アクセスを受けた時に登録情報が残っていたすべての顧客に、退会済みの顧客も含めて知らせを送った⁠[3]。不正アクセスについてのメールは@studio.designまたは@studio.siteのアドレスなどから送り、パスワードや認証情報の入力を求めるリンクは含めない⁠[3]。

機能別のキーと暗号化の鍵

Studio社は、顧客の情報を扱うために使っていた認証情報を、決済やログインに用いるものも含めて新しいものに切り替えた⁠[1]。暗号化の鍵を切り替えた後に保存するデータは新しい鍵で暗号化し、切り替える前のデータを新しい鍵で暗号化し直す作業を進めている⁠[1]。

第一報によると、Studio社は10月14日にGoogleスプレッドシート連携の接続に必要な鍵を更新しており、流出した可能性のある認証情報は利用できない状態である⁠[1]。Studio社は案内のページで、鍵を更新するまでの間に第三者が連携先のシートを閲覧・編集できた可能性を否定できないと説明した⁠[3]。

Studio社はカスタムプロキシの利用者に、Studio社が発行した新しいプロキシキーへの差し替えと完了の連絡を求め、古いキーは連絡を受けてから無効化する⁠[1]。期日は、10月16日に送ったメールの受信から30日以内である⁠[1]。案内のページでは、古いプロキシキーは無効化するまで使える状態が続くとした⁠[3]。

案内のページによると、reCAPTCHA v3のシークレットキーは一律の差し替えを求めていない⁠[3]。第三者がキーで大量に確認を行えば利用枠が消費され、フォームを送信できなくなる可能性は否定できないとした⁠[3]。

利用者の報告と連名の方式

Studio社は第一報で、個人情報保護委員会への報告をはじめ、関係機関への対応を進めていると説明した⁠[1]。フォーム機能の利用者には、Studio社が個別のメールで、個人情報取扱事業者として同委員会への報告や本人への通知が必要になる場合があると説明していた⁠[2]。

ITmedia NEWSは、この案内を受けて一部の利用者が10月17日までに同委員会に報告していたと報じた⁠[50]。

Studio社は10月17日の案内で、同委員会からの要請を受けて、これから報告を予定する利用者に個別の報告をいったん保留するよう求めた⁠[2]。保留を求めたのは同委員会への報告だけで、本人への通知は含まない⁠[2]。連名で報告できるか、同委員会と協議する予定とした⁠[2]。

Studio社の10月20日の続報では、同委員会と協議した結果、利用者が個別に報告するか、Studio社が取りまとめて利用者と連名で報告するかを選べることになった⁠[2]。同委員会と協議して決めた方法で連名で報告した場合は「本件事案に限り」、速報の目安の期間を超えても報告の遅延としては扱わない⁠[2]。個別に報告済みの利用者は同委員会で受付済みで、連名の報告に切り替えると個別の確報の提出は不要になる⁠[2]。

10月28日の更新によると、連名の報告の対象は、フォーム機能でStudioに保存した情報など、利用者がStudio上で取り扱っていた全ての個人データである⁠[2]。本人への通知と、プライバシーマークの審査機関、業法に基づく所管官庁、海外の当局への報告は、連名で申し込んでも利用者が対応する⁠[2]。市区町村などの行政機関等は対象外で、国立大学法人や公立病院などで民間事業者と同じ報告の規定が適用される場合は対象となる⁠[2]。

Studio社は、受付期間内に申し込みがなければ連名の報告の対象外になるとした⁠[2]。個別に報告する場合は、速報に加えて、今回の件では事態を知った日から60日以内に確報を出す必要がある⁠[2]。Studioアカウントの情報は連名の報告の対象外で、Studio社から同委員会に報告しており、利用者からの報告は要らない⁠[2]。

目次へ

未公表の事項

  • 悪用された脆弱性のある機能と脆弱性の種類、詳しい原因(Studio社は外部の専門機関に調査を依頼するため依頼先と調整しており、結果と再発防止策がまとまる時期は確定していないと説明した⁠[3])
  • 流出した可能性のある顧客の範囲と件数(Studio社は機能ごとの件数を精査していると説明した⁠[3])
  • 二次被害の有無(Studio社は調査を進めていると説明した⁠[3])
  • 不正にアクセスした第三者の正体と目的
  • Studio社から警察への相談の有無

出典

当事者

関係組織

公的機関

更新記録

  • 2026年11月1日:公開した。

目次へ