サイバー犯罪グループTeamPCPのメンバーとされる男のオーストラリアでの起訴

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目次
  1. 経緯
    1. 捜査の端緒と警察の主張
    2. Flareによる帰属の調査
  2. 時系列
  3. 影響範囲
  4. 対応と現状
    1. 起訴の罪状
    2. 捜査と審理の状況
  5. 未公表の事項
  6. 注
  7. 出典
  8. 更新記録
  9. 関連記事

オーストラリア連邦警察(AFP)などの2026年8月27日の共同発表によると、AFPは、世界の数千の企業から奪うために悪意のあるオープンソースのソフトウェアを作ったとされる組織をめぐり、西オーストラリア州の21歳と23歳の男を起訴した⁠[1]。米連邦捜査局(FBI)のサイバー部門の副部長は、2人はTeamPCPのメンバーとされると述べた⁠[1]。押収した大量のデータはフォレンジック解析中で、捜査は続いている⁠[1]。

経緯

捜査の端緒と警察の主張

AFPの8月27日の発表では、捜査は、オープンソースのリポジトリで公開されたソフトウェアに悪意のあるコードを挿入したとされる組織についての、複数のサイバー脅威の評価企業からの情報で始まった⁠[1]。そのソフトウェアは、ほかの開発者がそれと知らずに使っていた⁠[1]。AFPの司令官は、これらの企業が当局に提供した情報が捜査に決定的に重要だったと述べた⁠[1]。

警察は、男らがデータへの不正侵入、ID犯罪、暗号資産を使った資金洗浄を含む大規模なサイバー犯罪に関わる、高度に組織化された組織の一員だったと主張する方針だ⁠[1]。感染したソフトウェアが政府・学術・民間の組織のシステムに配布され、組織が利用者の認証情報や認証の素材などの機微なデータを盗めるようになったとも主張する⁠[1]。警察の主張では、男らは組織の主要な参加者で、役割の報酬を暗号資産で受け取った⁠[1]。

Flareによる帰属の調査

Flareの8月27日の報告では、TeamPCPは2025年後半にクラウドを狙う機会主義的な攻撃を始め、2026年初めにソフトウェアのサプライチェーンそのものを狙う形に転じた⁠[3]。Flareのハニーポットは、ある段階で185件のDockerの侵害を記録した⁠[3]。AI向けのプロキシのライブラリLiteLLMは、ビルドのパイプラインで汚染されたTrivyを動かしていた⁠[3]。

Flareは、TeamPCPの活動がほかの名でも現れると書いた⁠[3]。最初の名前付きの活動はPCPcat、流出の公開に使う名前はShellForce、ツールを置いたGitHubアカウントはDeadCatx3で、以前のTelegramのハンドルにはPersy_PCPとPCPshがある⁠[3]。調査はDeadCatx3の別名を起点に、複数のプラットフォームのアカウント、流出した認証情報、TeamPCPのTelegramと同じプロフィール画像をたどった⁠[3]。DeadCatx3の名の背後の運用者とTeamPCPそのものはパースに住む人物だと高い確度で評価し、この結果を法執行機関と確認した⁠[3]。

Hackreadの8月27日の記事では、FBIの当局者が21歳の男をTeamPCPの指導者とされる人物と説明した⁠[7]。

KrebsOnSecurityは、6月に21歳の容疑者の身元を知り、以来やり取りを続けてきたと書いた⁠[6]。7月上旬の同サイトの取材に、TeamPCPの指導者とされる人物は、LiteLLMの侵害の直前の2026年3月にTeamPCPでの活動をやめ、別の人物が指導役を継いだと主張した⁠[6]。同じ人物の主張では、TeamPCPでの活動で得た額は計約2万ドルだった⁠[6]。

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時系列

時系列
日付主体内容資料
2026年2月下旬TeamPCPAqua SecurityのTrivyで誤設定のGitHub Actionsのワークフローを悪用し、サービスアカウントのトークンを盗んだ⁠[3]
2026年3月19日TeamPCP悪意のあるTrivyのリリースをすべての配布経路に一斉に出した⁠[3]
2026年4月AFP、FBI複数のサイバー脅威の評価企業から情報を受け、並行して捜査を始めた⁠[1]
2026年8月26日AFP、西オーストラリア州警察(WAPF)FBIの支援のもと、パースの3か所の物件で捜索令状を執行して2人を逮捕し、AFPが計14件の罪で起訴した⁠[1]
2026年8月27日AFP、FBI、WAPF共同のメディアリリースを出した⁠[1]
2026年8月27日FlareTeamPCPの帰属の調査の報告を公開した⁠[3]
2026年8月27日-男らがパースの治安判事裁判所に出廷した⁠[5]

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影響範囲

AFPの発表では、悪意のあるコードは世界で1000を超える組織を侵害したおそれがあると推計されている⁠[1]。50万件を超える認証情報の窃取と、少なくとも300ギガバイトのデータの持ち出しを可能にしたとの推計もある〔注1〕⁠[1]。これまでの金銭的な影響には世界の復旧費用が含まれ、その推計は数億ドルだ⁠[1]。

The Recordは、TeamPCPが3月以降、TanStack、Trivy、LiteLLMなどの開発者向けツールを狙うサプライチェーン攻撃を重ね、下流の被害者には欧州委員会とGitHubが含まれると報じた⁠[4]。

The Hacker Newsの記事によると、TeamPCPは2026年3月のTrivy、Checkmarx KICS、LiteLLMの侵害の背後にいるグループだ⁠[5]。

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対応と現状

起訴の罪状

表1:AFPが発表した罪状
罪21歳の男の件数23歳の男の件数最高刑資料
コンピュータ犯罪の意図をもったデータの所持(連邦刑法478.3(1))11禁錮3年⁠[1]
重大な犯罪の意図をもったデータの無権限の改変(連邦刑法477.1・372.1)44禁錮5年⁠[1]
コンピュータ犯罪の意図をもったデータの供給(連邦刑法478.4(1))11禁錮3年⁠[1]
3LA命令に従わなかった罪(1914年連邦犯罪法3LA条)1-禁錮10年⁠[1]
10万ドル以上の犯罪収益の取り扱い(連邦刑法400.4(1))1-禁錮20年⁠[1]

The Recordは、21歳の男の罪状には機器のパスワードを渡す命令に従わなかった罪が含まれると報じた⁠[4]。

The Hacker Newsの8月27日の記事では、14件の罪状はいずれも、特定の侵害されたプロジェクトを名指ししていない⁠[5]。

捜査と審理の状況

米司法省カリフォルニア北部地区連邦検事局は、TeamPCPによるソフトウェアのサプライチェーンへのサイバー攻撃をめぐる起訴の発表を掲載した⁠[2]。

共同発表によると、逮捕の際に物件から電子機器などを押収し、フォレンジック解析にかけた⁠[1]。Hackreadは、警察がABCに対し、1か所で押収した機器から捜査員がすでに約100テラバイトのデータを取り出したと説明したと報じた⁠[7]。共同発表では、追加の逮捕と起訴の可能性は排除されていない⁠[1]。

Hackreadは、審理で21歳の男の弁護人が、治安判事が証拠への干渉の懸念を示した後に保釈の申請を取り下げたと報じた〔注2〕⁠[7]。23歳の男は保釈を申請せず、9月18日の次回出廷まで勾留された⁠[7]。

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未公表の事項

  • 捜査の端緒となった情報を当局に提供した脅威の評価企業の名
  • 悪意のあるコードで侵害されたおそれのある個別の組織の名
  • 男らが暗号資産で受け取ったとされる報酬の額(AFPは捜査中と説明した⁠[1])
  • 米国への引き渡しの請求の有無
  • 次回出廷以降の審理の経過

注

  • 〔注1〕The Hacker Newsは、Unit 42が2026年3月に同じ2つの数字を、持ち出した可能性がある量として公表していたと報じた⁠[5]。
  • 〔注2〕KrebsOnSecurityはABC Newsの報道として、21歳の男の保釈は認められず、男らはいずれも9月18日の次回出廷まで勾留されると伝えた⁠[6]。

出典

公的機関

調査・観測

報道機関

更新記録

  • 2026年8月30日:公開した。
  • 2026年8月31日:Flare Systemsの報告の8月31日の更新(出典3)を加え、経緯と時系列の節を改めた。

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