Ivanti Sentryの脆弱性CVE-2026-10520の悪用

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脆弱性の悪用
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国外
目次
  1. 脆弱性の内容
    1. 修正の差分の解析
  2. 時系列
  3. 対象の製品と版
  4. 悪用の状況
    1. ハニーポットをめぐる説明
  5. 修正と回避策
  6. 未公表の事項
  7. 注
  8. 出典
  9. 更新記録
  10. 関連記事

Ivantiの2026年6月9日の公表では、Ivanti SentryとIvanti Endpoint Manager Mobile(EPMM)に脆弱性があり、悪用された証拠は無かった⁠[1]。SentryのCVE-2026-10520は、6月11日からCISAの既知の悪用された脆弱性(KEV)のカタログに載っている⁠[4]。CrowdSecによると、悪用はその後「Wearing Out」の段階に移り、量は週ごとに減った⁠[14]。

脆弱性の内容

表1:Sentryの2件の脆弱性
項目CVE-2026-10520CVE-2026-10523資料
種類OSコマンドインジェクション(CWE-78)認証回避(CWE-288)⁠[2、3]
CVSS 3.1の基本値10.0(CRITICAL)9.9(CRITICAL)⁠[2、3]
CVSSの攻撃に要る権限なし(PR:N)低(PR:L)⁠[2、3]
悪用されたときの影響認証されていない遠隔の利用者がroot権限でコードを実行できる認証されていない遠隔の攻撃者が任意の管理者アカウントを作り、管理者の全権限を得られる⁠[2、3]
CISAのSSVCの悪用の評価active(2026年6月12日の評価)none(2026年6月9日の評価)⁠[2、3]

Ivantiは同じ公表で、製品セキュリティの工程に複数のLLMを組み込み、従来のツールが見逃した脆弱性を見つけており、この日に開示したものの一部もそれに当たるとした⁠[1]。脆弱性の開示の件数は増えると見込んだ⁠[1]。

watchTowr Labsの解析では、Ivanti Sentryは旧称MobileIron Sentryで、モバイル端末と社内のシステムの間の通信を管理・暗号化するインラインのゲートウェイである⁠[5]。Microsoft Exchangeなどの前に置かれ、ActiveSyncのメールの通信を制御する⁠[5]。Ivantiは2020年12月1日にMobileIronの買収を完了している⁠[7]。

修正の差分の解析

watchTowr Labsは、脆弱な10.5.1と修正版の10.5.2を比べ、変わったのはmics-coreのJAR 1つで、変更はConfigServiceController.javaにあったと書いた⁠[5]。Sentryのアプリケーションは/micsの下に公開され、ログイン画面は/mics/login.jspである⁠[5]。問題のAPIは、利用者が渡した文字列をMICSの設定コマンドとして解析し、内部のnativeのメソッドをリフレクションで呼び出すため、システムの設定の操作に届く⁠[5]。watchTowr Labsは、修正版の形式のコマンドを脆弱な機器に送ってuname -aを実行させ、CVE-2026-10520を再現した⁠[5]。

Rapid7の解説では、脆弱な窓口は認証の無いPOSTで届く/mics/api/v2/sentry/mics-config/handleMessageである⁠[13]。

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時系列

時系列
日付主体内容資料
2026年6月1日IvantiCVE-2026-10520の番号を予約した⁠[2]
2026年6月9日IvantiCVE-2026-10520とCVE-2026-10523のCVE記録を公開した⁠[2、3]
2026年6月10日watchTowr Labs修正の差分からCVE-2026-10520を再現した解析と、環境が脆弱かを確かめる検知用の生成ツールを公開した⁠[5]
2026年6月10日CrowdSecこの日までに最初の悪用の試みを観測した⁠[14]
2026年6月11日Shadowserver FoundationwatchTowr Labsの公開したPoCにもとづくCVE-2026-10520の悪用の試みを大量に観測した⁠[6]
2026年7月2日FortiGuard Labs直近24時間に886件、過去7日間に8,406件の試みを防ぎ、週ごとの件数が82%増えたと報告した⁠[15]

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対象の製品と版

表2:影響を受ける版と修正版
製品影響を受ける版修正版資料
Ivanti Sentry10.5.2より前R10.5.2⁠[2、4]
Ivanti Sentry10.6.0以上10.6.2より前R10.6.2⁠[2、4]
Ivanti Sentry10.7.0R10.7.1⁠[2、4]

Ivantiは、6月9日に開示した脆弱性はほかのIvantiの製品には影響しないとした⁠[1]。

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悪用の状況

Help Net Securityの記事の追記によると、Shadowserver Foundationは、見えている脆弱な19台のうち少なくとも2台にバックドアが置かれていたとした⁠[6]。残りもおそらく侵害されているとし、スキャンで届かない機器が多いため検知は少なめだが、修正していなければ侵害されている可能性が高いとも述べた⁠[6]。

CrowdSecは、一部の攻撃者が騒がしい大量のスキャンから基本的な標的の絞り込みへ移りつつあると報告した⁠[14]。

NVDの記録では、CISAがKEVで対応の期限を6月14日とし、ベンダーの指示に沿った緩和策の適用(BOD 26-04とCISAの「Forensics Triage Requirements」に沿うもの)か、緩和策が無ければ製品の使用の中止を求めた⁠[4]。CISAはKEVへの追加の告知を掲載した⁠[12]。Rapid7は、Ivanti Sentryが過去にもCVE-2023-38035とCVE-2020-15505でKEVに載ったと書いた⁠[13]。

ハニーポットをめぐる説明

SecurityWeekの記事によると、Ivantiはアドバイザリを改訂してKEVへの追加を反映し、その根拠は「attempted exploitation of honeypots」(ハニーポットへの悪用の試み)だと指摘した⁠[16]。Ivantiは、悪用には管理ポート(8443)〔注1〕への到達が要り、管理用の窓口はインターネットに出すべきでないと説明した⁠[16]。KEVの項目に写したIvantiの注記は、管理されていないSentryは本番では使えないとした⁠[16]。

同じ記事でSecurityWeekは、CISAがKEVの注記に、Sentryが管理されていない状態で窓口が外から届く場合に悪用でき、EPMMとのmTLSかNeurons for MDMによるHTTPSの制限があれば外からは届かないと書いたと報じた⁠[16]。

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修正と回避策

watchTowr Labsの解析では、修正版は利用者が渡した値を使わず固定のコマンドに置き換えたが、機能そのものは残した⁠[5]。同梱のApacheの設定には正規表現の規則が加わり、認証の無い要求は302の応答でログイン画面へ転送されて、脆弱な窓口に届かなくなった⁠[5]。

Help Net Securityは、Ivantiが顧客にすぐ修正を適用するよう促したと報じた⁠[6]。

SecurityWeekの記事では、Ivantiは導入の形にかかわらず、脆弱なAPIへのインターネットからの到達を制限するよう勧めた⁠[16]。

CERT-EUは6月10日のアドバイザリ2026-008で、ベンダーの案内に沿った修正版への更新を推奨した⁠[10]。シンガポールのサイバーセキュリティ庁は6月12日の注意喚起で、ただちに修正版を適用するよう求めた⁠[11]。カナダのサイバーセキュリティセンターは、6月11日の告知の更新でCISAによるKEVへの追加を書き加えた⁠[9]。

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未公表の事項

  • CVE-2026-10520の報告者(CVE記録の発見の経緯は「UNKNOWN」⁠[2])
  • Ivantiが把握した被害の組織と台数
  • 悪用した攻撃者

注

  • 〔注1〕Ivantiは2023年8月21日にもSentryの脆弱性CVE-2023-38035を公表し、8443番ポートをインターネットに出していない顧客には悪用の危険は低いとした⁠[8]。

出典

当事者

公的機関

調査・観測

報道機関

背景資料

更新記録

  • 2026年6月12日:公開した。
  • 2026年6月13日:watchTowr Labsの解析(出典5)の6月13日の更新版にもとづき、「脆弱性の内容」と「修正と回避策」の記述を改めた。
  • 2026年6月15日:CrowdSecの報告(出典14)を加え、最初の悪用の試みの観測を「時系列」に、攻撃者の動きを「悪用の状況」に加えた。
  • 2026年7月1日:Rapid7の解説(出典13)の7月1日の更新版にもとづき、脆弱な窓口を「脆弱性の内容」に、KEVへの過去の掲載を「悪用の状況」に加えた。
  • 2026年7月2日:FortiGuard Labsの報告(出典15)を加え、防いだ試みの件数を「時系列」に加えた。
  • 2026年10月7日:CVE記録(出典2)とNVDの記録(出典4)の10月7日の更新版にもとづき、「脆弱性の内容」「対象の製品と版」「悪用の状況」を改めた。
  • 2026年10月27日:CrowdSecの報告(出典14)の10月27日の更新版にもとづき、リードの最後の文と「悪用の状況」を改めた。

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